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2016年6月25日

相模原のシンデレラ 照手姫の伝説

相模原の底沢に「美女谷温泉」という地名があるのをご存知ですか?
名前からして、何か惹かれますね^^
どらは美女に弱い?(たぶん…)
さてこの地には、けな気に生きた美しき女性、照手姫の伝説が残っています。
この話、めづらしくハッピーエンドなんですよね^^b
よかった・・・よかった!

照手姫伝説はここだけでなく、他の地域にも残されています。
相模原、茨城、和歌山、三重などの伝説が有名どころで、
歌舞伎の演目にもなっているほどのメジャーなお話です。
たぶん全くの作り話でなく、元になった史実はあったと思います。
今回は相模原に残された伝説を追っかけたいと思います。
美女谷温泉は高尾-陣馬山縦走路の途中、
底沢峠または小仏峠に合流する登山道の起点です。
この道は、登山者もあまり通らないようです。
考えてみれば、中途半端な場所にありますからね^^;

さて照手姫は、この美女谷で生まれました。
それはそれは美しい女性だったそうです。
だいたい伝説になる女性は、例外なく美しいものですが・・・
常陸の国(茨城県)の若武者、小栗判官がこの地を訪れた時、
照手姫に一目ぼれしてしまいます(男は美女に弱いですね~)
そして婿入りしちゃいました^^;

そしてある酒宴の席で、夫の小栗判官は毒殺されてしまいます。
(犯人の横山将監=照手姫の父親説、あるいは叔父説あり)
そして照手姫は落ち延びていきます。
父親なら殺そうとしないと思うので、どらは「叔父説」指示しています!
叔父説では、照手姫に横恋慕したとか・・・
照手姫は追っ手から逃げる途中、相模川に転落してしまいます。
そして姥夫婦に助けられて、全国各地を転々とします。
最後は美濃の国(岐阜県)まで逃げ延びたそうです。
そして遊女宿で下働きのつらい仕事につきます。
下働きということですが、遊女そのものだったのかもしれません。

一方、毒殺された小栗判官は、閻魔大王から天国行きを命じられますが、
照手姫の行く末が心配で拒否!
それではと、閻魔大王は醜い餓鬼阿弥姿で、人々の手助けを得て、
熊野(和歌山県)へ444日以内に詣でることができれば
人間に戻すという恩赦の裁定をします。
そして、小栗判官は恩赦で地獄からよみがえります。
ただし、目と口と耳の働きを失った姿で・・・

ここからの展開は読めそうですね^^
そう、偶然にも、照手姫が働く遊女宿の前に現れたのです。
人々は気味悪がりました。
照手姫も最初は気味が悪かったのですが、参詣中に観音様が
「気の毒な人を助けるように」と言ったことを思いだし、手助けします。
遊女宿のご主人にお休みをいただき、餓鬼阿弥姿の小栗判官と共に、
熊野の湯を目指して旅立ちました。
もちろん餓鬼阿弥が最愛の夫だとは、知るよしもありません。
そして西近江まで来たときに宿との約束の期限が来てしまいます。
照手姫は後ろ髪が引かれる思いで遊女宿に戻ります。

その後、餓鬼阿弥は人々の力添えで、無事に熊野に到着します。
そして、49日間、温泉に浸かりました。
そしてついに小栗判官は、元の姿を取り戻すことができました。
この話は、歌舞伎の演目にもなっている人気の話で、
ここからは横山将監への仇討の展開となっていきます。

東へ向かう小栗判官は、美濃の国(岐阜県)で照手姫と
劇的な再開を果たします。
小栗判官の笛の音に気付いた照手姫が、「まさか?」と近づこうとすると、
判官の家来に追い払われてしまいました。
照手姫は笛の音に合わせて、歌を歌います。
判官はその美しい声に気づき、「まさか!」と近寄りました。
奇跡の再会です!
ここは涙の名場面ですね^^

その後、二人は横山将監への仇討に成功し、悪事を正しました。
小栗判官は立派な殿様になり、照手姫もたくさんの子宝に恵まれ、
幸せに暮らしたそうな・・・
めでたし! めでたし!

この話は、江戸時代の遊郭で、はやったそうです。
不幸な境遇の遊女たちにとって、せめてもの励みだったのでしょう。

照手姫伝説の地 (相模原市)
 相模原の七つ淵周辺で、照手姫が植えたハナモモの伝説にちなんで
 ハナモモが植栽されています。

高尾山登山コース
 人気の高尾周辺ですが、美女谷から登るコースも面白そうです。

(おしまい)